安芸城跡と周辺観光|高知ツアー・高知旅行のビーウェーブ

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安芸城跡と周辺観光

公開日:2022.08.08

安芸城跡と周辺観光
レポ-ト
安芸城

緑豊かな安芸城跡

安芸城は鎌倉時代末期から安芸氏代々の居城でしたが、長宗我部元親(ちょうそかべもとちか)の岡豊城(おこうじょう)を攻撃したことにより逆に攻められ落城し、安芸氏は滅びました。その後、約30年間は長宗我部氏が支配していましたが、関ヶ原の合戦後に長宗我部氏に代わり土佐に入国した山内一豊が五カ所の城に重臣を配置し、そのうちの安芸城を預けられた五藤氏がここに屋敷を構えました。
一国一城令により城ではなく土居と呼ぶようになり安芸土居として、その周囲には家臣団の居住地である廓中(かくちゅう)を整え、現在も武家屋敷の名残を残しているそうです。堀と石垣に囲まれた安芸城跡は今にもお城が浮かびそうな佇まいです。この日はあいにくのお天気でしたが、なんとも緑が鮮やかでした。

安芸城跡

鎌倉時代に築かれた安芸城は、安芸平野のほぼ中央にあり、楕円形をした平山城です。城跡には安芸氏が築いた城山部分と旧土佐藩家老の五藤氏により整備された部分があります。
安芸城跡は実際に登って行けるとの事で、急遽、山を登る事に。雨の後で少し足元が悪かったのですが、10分もかからないうちに頂上に到着。頂上は木々の葉が空を覆っていて空気がよく、気分爽快。お子さんも楽しく登って頂けそうでした。

安芸市の史跡の保護有形文化財

安芸市の史跡の保護有形文化財

詰、曲輪(くるわ)、虎口(こぐち)、土塁(どるい)などの遺構が良い状態で残っているので、安芸市の史跡の保護有形文化財に指定されています。途中に三ノ段、二の段、虎口などの案内表示もあり、山城好きにはたまらないかもしれませんね。

五藤家安芸屋敷

五藤家安芸屋敷

高知城の南にも高知屋敷を構えた旧土佐藩山内家家老の五藤家は、この安芸土居にも屋敷を構えていました。安芸城のふもと一帯にあったこの時代の屋敷や蔵、馬小屋などの広い土居屋敷は明治になって全て取り壊されたそうですが、明治20年から30年代に奇棟造りの主屋や離れが建てられ、ここで見ることができます。樹齢200年以上と言われる松の木は土佐藩のお殿様から頂いたものだそうです。ボランティアガイドの方がおられ、解説して頂けました。この日は雨模様の為、雨戸が閉められていましたが開いている時にまた来たいと思いました。

安芸市立書道美術館

安芸市立書道美術館

昭和57年10月に全国初の公立の書道専門の美術館がこの安芸城跡の前に開館しました。安芸市は藩政時代から書道が盛んで今でも日本書壇の第一線の書家を輩出しているそうです。
この館内には安芸をはじめとして全国の書家の作品が常時、展示されています。自由な発想の作品がかなりあるので、ゆっくり一つずつ見て回ると時間がたつのを忘れてしまうほどです。子供のころ書道を習っていて子供にも習わせていたので懐かしく、久しぶりに墨の香りを感じてみるのも良いですね。

毒井戸跡

安芸市立書道美術館の毒井戸跡

安芸市立書道美術館の入り口の横に「毒井戸跡」の看板が。恐る恐る覗いてみたのですが、中は埋められていました。でも、少し不気味。
実は安芸城が長宗我部軍に包囲されながらも籠城して奮戦していた時に、火矢により城が炎上した際、内通者によりこの城の井戸に毒を投じられ、場内の兵らが多数倒れることになり士気が一気に衰えたそうです。城主の安芸国虎は残された全兵士と領民の命と引き換えに自決したとか。安芸城落城が早められたのはこの毒井戸が原因だそうです。

安芸市歴史民俗資料館

安芸市歴史民俗資料館

安芸市歴史民俗資料館は五藤家、歴史・民俗、人物の3つのコーナーに分かれています。
五藤家のコーナーは江戸時代、土佐藩家老であった五藤家に伝来する美術品を中心に武家の暮らしがわかる展示がされています。鎧や兜、刀は江戸時代と思えないくらいの保管状態です。
歴史コーナーには安芸市内から出土した古文書や民具などがあります。人物コーナーはやはり有名な三菱グループの基礎を築いた岩崎彌太郎の紹介が目にとまりました。さらに興味がわいたので、この後、岩崎彌太郎生家に立ち寄りました。企画展の催しも色々とされていて、タイミングがあえば、通常とは違った展示が見ることができるようです。
安芸市立書道美術館と安芸市歴史民俗資料館は共通券があるので、両方行かれる方は是非、お得な共通券をご利用ください。

藤崎神社

安芸市歴史民俗資料館の中に五藤家の家宝の鏃があったのですが、その話には驚きました。関連した神社がこの安芸城跡にあるので、その話を紹介します。
五藤家が仕えた山内一豊が織田信長の越前朝倉攻めの時に、敵は打ち取ったものも左の目尻から右の奥歯にかけて矢を射られてなかなか抜けなかった為、重臣の五藤為浄がその矢を抜こうとわらじをはいた足で一豊の顔を踏み、抜き取ったそうです。土佐藩主になった一豊はその武功がきっかけとなり五藤家に安芸を預けたそうで、その鏃が五藤家の家宝になり、わらじは藤崎神社の御神体となったと伝えられています。

色々と奥深いこの地の歴史をのぞいた今回の旅でした。こういう経験も旅の醍醐味ですね。

MAP

基本情報
交通 JR高知駅から車で約60分、高知空港から車で約40分
駐車場 あり
住所 高知県安芸市土居953
TEL 0887-35-1011
(安芸市 商工観光水産課)